2005.10.24
第15次春教組教育研究集会

 10月24日(月)グリーンパレス春日井において「子どもたちの健やかな成長をめざして−未来を切り拓く力を育てるために−」をテーマに,第15次春教組教育研究集会が開催されました。分科会では,どの部会もハイレベルで熱心な討議が行われました。また,全体会では,中部大学の梶田正巳先生を講師にお招きして,基調講演をしていただきました。

第1分科会

<国語教育部会>
 語彙が乏しく,うまく自分の思いを表現できない子どもたちに,川柳・短歌の創作を通して,「豊かな語彙力」「表現技法を理解し,使う力」「言葉に注目し,言葉を楽しむ力」を身につけさせる実践が報告された。川柳大会やひみつの友達短歌の創作など,様々な実践をする中で,友達のよいところを探して作品を創ったり互いにアドバイスしたりすることで,よりよい人間関係を築く子どもたちの姿が紹介された。

<外国語教育部会>
 中学3年を対象に,3年間の学習内容の総復習を目指し,到達度に応じた自作プリント(3コース)により,意欲的に学習に取り組ませる実践が報告された。基礎が十分に身についていない生徒や意欲を失った生徒も一生懸命取り組む姿が紹介され,やる気が出た契機やテスト前の進め方などについて質疑応答がされた。

<特別活動(小)部会>
 社会性を育て,自主的に集団で活動する力を高めるため,学級での基礎的スキル習得から始め,縦割り班活動の中で,友達とかかわりあう力をステップアップさせていく実践が報告された。リーダーとしての意識の変化が見られた高学年,リーダーへ感謝の気持ちが現れてきた低学年など異年齢集団活動に意欲的に取り組むようになった子どもたちの姿が紹介された。児童会担当の教師の働きかけの他に,各教師の縦割り班活動への働きかけについても質疑応答がされた。

第2分科会

<算数教育部会>
 T・Tを有効に活用した適切な支援をすることによって意欲的に学習する子どもたちの育成を目指した実践が発表された。「授業を行うための準備」を十分に行い,授業形態の工夫<一斉,コース別>,ノート指導,理解度の確認などの支援を行うことで,子どもたちが積極的に発言をするようになってきたと報告された。

<数学教育部会>
 自ら工夫して課題を解決したり,判断したりする「数学的な考え方」が低下している今,個別学習とグループ学習の場を意図的に設けた学習過程の中で,自らの考えを他者と比較検討することで,力を伸ばしていく実践が紹介された。グループでの活動・意見交換により,多様な考え方に気づき,互いに認め合う雰囲気が生まれ,自分で考えてみようという意欲の高まりがみられたと報告された。

<障害児教育部会>
 「数と計算」のやり方と意味を理解し,実生活で活用する力を育てる実践が報告された。ボウリングゲーム,絵カード,カップとビーズの操作活動,実生活に即した校外学習での切符の購入や秋祭りでのお店屋さんごっこを通して,計算が正確にできるようになった子どもたちの様子が紹介された。

第3分科会

<生活科教育部会>
 小学校1年生の実践として,園児や地域の人たちとの交流を通して,「自立心」を培う活動が報告された。「人とのかかわりを大切にする子」「自然の変化や不思議さに気づける子」「自分のことは自分でする子」をめざすためには,学校と家庭と地域が連携して様々な体験活動を行っていくことが大切であることが確認された

<社会科教育部会>
 未来を創造する力を育てるために,先行きの見えない地域課題について,子どもたちが自ら調査し,お互いの意見を交換して地域の未来像を練り上げ,社会に発信する実践報告がなされた。子どもたちが調べたことをもとに話し合う際,子どもたちにとって身近で切実感な学習課題であるかどうかがポイントであることが確認された。

<理科教育(生物・地学)部会>
 生物のたくみさ,すばらしさを実感できるものの教材化に取り組んだ実践報告がなされた。植物の種子を飛ばすしくみを体験活動(模型をつくって飛ばす)を通してとらえさせたり,遺伝の学習で子の形質をシミュレーションして考えさせたりする活動が報告され,興味・関心を惹きつける手だてを工夫する重要性が確認された。

第4分科会

<保健体育(体育)部会>
 児童が自ら進んで学習に取り組み,教師が自信を持って指導にあたるための実践が報告された。「試す」「高める」「確かめる」の3つで構成された小学校4年生の器械運動の実践が紹介された。学習カードを用い,児童が互いに教え合ったり,成果を見せ合ったりする姿が発表された。目標や内容を具体化することの重要性が確認された。

<保健体育(保健)部会>
 生命を尊重する気持ちを育て,自己肯定感を高める小学校3年生での実践が紹介された。紙芝居を使うなど視覚に訴える教材を使うことで,児童を惹きつけることに成功したことが報告され,実践により自分だけでなく周りの人たちのからだも大切にしようとする気持ちを高めることができたことが紹介された。

<音楽教育部会>
 子どもたちに音楽的な感性や基礎的な技能を身につけさせるためのT・Tのあり方が小学校3年生での実践を通して発表された。実際の授業の様子がビデオで紹介され,T1とT2が協力して行う授業展開が具体的に報告された。個別支援する時間をより確保することができるT・Tは,子どもの感性や創造性を伸ばす上で有効であることが確認された。

第5分科会

<美術教育部会>
 友達どうしが関わり合い,互いを認め合いながら活動することで,楽しみながら意欲的に造形活動に取り組ませる小学校1年生での実践が紹介された。構成的エンカウンターを取り入れた造形活動を通し,自分の表現に自信を持たせ,より豊かな表現を目指すことで,「表現したいものが画面いっぱいに描ける」「自他の良いところをさがしだそうとし,主体的に学習できるようになった」と報告された。評価方法や共創の意義などについて質問が出され,具体的な方法や共同制作との違いが確認された。

<技術教育部会>
 地球にやさしい環境をつくろうとする問題意識を持ち,環境に配慮した行動を実践できる生徒を育てる実践が紹介された。実践の結果,生徒が環境に対して,高い意識や意欲を持つようになり,日常の行動にも変容が見られたことが報告された。ワークシートによる相互評価の効果や問題点について質問が出され,具体的な評価の観点を示すことが,予想される問題点を解決し,生徒の製作意欲にもよい影響を与えることが確認された。

<家庭科教育(小)部会>
 実験やロールプレイングなどを通して,食品の質の大切さと,それを知る手立て,自分で目的を持って買い物をすることの大切さを学ばせる小学校6年生の実践が紹介された。身近なものを使った授業実践の結果,品質表示に注意することの必要性などを実感させることができたと報告された。具体物を使った授業での注意事項やロールプレイングを行う際の事前指導について質疑応答がされた。



■今,公教育にのぞまれていること
 今,公教育にのぞまれていることは,それぞれの教師が自信を持って実践に取り組むことである。われわれ教師は,個人営業者と同じであり,自分たちの実践が社会の中で理解されることが大切である。自分たちがやっていることを大いにアピールすることが重要である。

■自分で考えるということ
 考えているようで考えていないことが実際である。自分が何をしたいのか考え,引き出していくことが大切である。最初からよい考えは出てこないが,自分のペースで,時間をかけて悩み,苦しむことで何らかのhintを得られるものである。時間をかけることで,自分の個性が自然とアイデアを引き出してくれる。検証は,後ですればよい。

■現実をみつめるということ
 われわれの目の前には子どもたちがいる。目の前の子どもたちを中心に考えればよい。目の前の子どもたちが現実(reality)であり,子どもたちを見て,何をすべきか考え,実践し,修正すればよい。それぞれが現実に即して考え,実践することが教育全体の「bottom up」を図ることになる。「わかるより慣れよ。」の発想であり,わかってから使うのではなく,使ってからわかってもよいのである。これこそ現場で子どもたちに接している教師ならではの考え方である。現場で考え,失敗を繰り返しながら自分らしい指導法を身につけていくことが必要である。